お庭もプランの一部

アシストプラスアルファの仕事を見ていて一番驚いたのは、建物と一緒に外構、お庭工事も考えてすまいのプランを計画することです。その中には周りのいい景色をどう切り取って暮らしに取り入れていくかを考えること(サイトプラン)も含んでいます。

更地の段階で敷地の最大限の利用方法を考え、あとまわしにされがちな庭工事の一部を先にやっておくことで余分な費用を抑え、その分でよりいい家をつくろうとする取り組みに毎回感動しています。(前回のブログ参照)

実際に更地の状態から外構、お庭の仕上がりまでを考える業者は少ないです。というのもハウスメーカー、工務店は「家と庭は別物」と考えているところがまだまだ多く、最初のプランの時から外構やお庭のことまで考えて建物の高さ設定をしているところは一部を除きまだ浸透していないのが現状です。

 

穏やかな時間をもたらしてくれるお庭

しかし、「お庭は欲しいけど、草むしりや剪定などの管理が大変」「虫がつくのがちょっと…」「お庭自体いらない」

なんて声もよく耳にします。たしかに植物には虫がつき、庭の必要性は家に比べれば低いです。ただ、過去にお庭工事の仕事をしていた身としては、すまいは建物だけで完結するものではなく、お庭など余白の部分があるほうがより豊かなすまいになると考えています。そして豊かなすまいとは、心に余裕が生まれるような穏やかな時間を過ごせる場所だと思います。

お庭はそういった心の余裕や穏やかな時間をつくってくれる空間のひとつです。リビングのソトに緑があるだけで窓から見える景色が変わり、季節の移り変わりを感じたり、こもれびが心地いい居場所をつくってくれたりします。お庭に咲いた花々をリビングや玄関に飾るだけでもなんとなく心が穏やかになるのを感じます。

そして、大変そうな管理についてですが、目につくところは少しでもきれいにしておきたいと思うもの。そのためにもソトから見えるお庭だけを考えるのではなく、ナカから見て楽しむお庭を考えることが大切です。

いつも目に入る場所であれば「きれいにしようかな~」と思いますし、苦手でも土に触ってみようという気持ちになります。やってみると土いじりや庭いじりは楽しいもので、お手入れをしているときに樹木や花に新芽がついていたり、実がなっていたりといった「ちょっとした変化」に気が付きます。それらを見つけるのもうれしく楽しい瞬間。また、植えた植物の育て方や剪定の仕方なども知りたいなと思うようになります。どんなことでも少しずつ知識がついていくのは子どもも大人も楽しい成長の時間です。

 

 

お庭は身近な癒しの場所

お庭は穏やかな心だけでなく植物に対する好奇心も育ててくれ、なにより五感をフルに使って楽しむことができる癒しの場です。それは壁に囲まれた建物の中にいるだけでは得られないもの。

癒しを求めにわざわざ山や森に行かなくても、窓を開ければ自分の敷地内で体感・体験できるのであればそれに越したことはないと思います。いきなり大きなお庭づくりはハードルが高くても、切り花やプランター栽培から暮らしに緑を取り入れてみるのはどうでしょう?