前回は気密性の必要性について考えてみましたが、気密性が高いすまいのメリットを考えてみたいと思います。

 

高気密住宅のメリット

 

・省エネ

気密性が高くなると室内の空気が外に逃げにくくなるため、冷暖房効率がよくなります。そのため冷暖房にかかる電気代や燃料代を抑えることができます。

 

・ヒートショックの防止

気密性をあげることで居住スペース全体をムラなく均一に暖めることができ、気温差が少なくなります。そのため急激な温度差が原因で起こるヒートショックのリスクが減ります。

 

・耐久性

建物の壁内部の結露を防止することができるので、断熱材も劣化しにくく、長持ちするすまいになります。

 

・汚染物質の侵入防止

気密性が高いと外気が室内に入りにくくなります。そのため、大気中の花粉や汚染物質が入ってくるのを抑え、きれいな空気の中で健康に配慮した生活が可能です。

 

・遮音性が高まる

気密が高いすまいは、隙間をなくすために精度の高い施工をしています。そのため外の空気以外にも騒音が室内に入ることも抑えてくれます。気密性の高いすまいのほうが静かな住環境が得やすくなります。

 

さて、高気密住宅のメリットを数個挙げましたが、このすまいにデメリットはないのでしょうか?

 

 

高気密住宅のデメリット

 

・性能のいい換気や空調設備が必要

高気密のすまいは密閉された空間に近くなるため、空気や湿気がこもりやすくなります。そのため空気を循環するための空調設備や換気設備が必要になります。

 

・素材選び

最近ではあまり聞きませんが、使用する材料によっては有害物質を発生させるものもあります。また、有害物質だけでなくハウスダストが室内に滞留するとシックハウス症候群を起こすこともあります。そのため室内には自然素材をはじめとした、有害物質を出さない素材を使うことが求められます。

 

今の住環境などを考えると、気密性を上げることで得られるメリットは高いです。ただ、気密性を重視して窓や開口部を小さく設計するところもあれば、逆に窓を大きくとり解放感と気密性のバランスをうまく取っている設計をするところもあります。「家」としての性能はどちらを選んでも正解です。どちらを選ぶにしても「高気密」ってどんなことなのかを知り、納得した上で選んだほうがより後悔のないすまいになるかと思います。

 

 

最後に、快適な住空間はデザイン性だけでなく、素材選び、設備や住宅の性能、土地選びも大切な部分です。流行や今の好み、よく耳にする謳い文句だけで決めるのではなく長い目で見たときに「残るすまい」を建てることで得られるもののほうが大きいように思います。

 

すまいのご相談、モデルハウス「杉の家」の見学はいつでも可能ですので、お気軽にお問合せください。